11.レネゲート

 

 

 

 

 

 

隙があり過ぎて困る。そう、ユアンのことだ。

ユアンは敵には厳しいが一度懐に入ったヤツにはとことん甘い。まぁロイドほどではないが。

だんっが!!何故か女好きの駄目神子には特にゲロアマだ。あり得ないくらい甘い!!

そう、今だってこの有様だ!!

「神子、いくら春と言えど風邪ひくぞ。ちゃんと布団で寝てこい」

その通りユアンの言う通りだ。ちゃんと布団で寝てこい。テセアラの神子よ。そもそもそこ私専用だ!!

ゼロスは自称クラトス専用となったユアンの膝の上で気持ちよさそうに微睡んでいた。

「やだ〜ここが落ち着くー」

そう言って、ゼロスはユアンの太ももに頬を摺り寄せた。

ちょ・・・神子ぉぉぉぉ!!可愛く言ってもダメだ!!お前はもういい歳した大人だ!!甘えていいのは純粋なロイドまでだ!!

「全く、いつまで経っても甘えん坊だな・・・」

そう言いながらでもユアンはどこか優しく嬉しそうだ。

ゼロスの頭を撫ぜるその白い手や見つめる眼差しは限り無く慈しみ、愛しさが溢れ出ている。まるで壊れ物を扱うような手つきだ。

「ゼロス?」

急に大人しくなったぜロスに問い掛けた言葉に静かな寝息だけが帰ってくる。

あの警戒心人一倍強い神子がここまで無防備になるとは・・・

やはり私のユアンだ!!これはもう、ロイドの母親になるしかないな。

「まったく…いつまで経っても世話がかかるな」

そう愚痴を零すユアンの眼差しはやはり慈愛に満ちていた。

「私にも少しは構え!ユアン!!」

「嫌だ。お前に構うと碌なことがないからな、クラトス。ってかその前に何故お前がココにいる?!」

「そんなの決まっているだろう!!お前が好きだからだ!!!」

近くで熱く熱く語るクラトスにユアンは呟いた。

「・・・・インディグネイション!!」

 

 

 

 

 

 

雷が落ちても今日も、テセアラベースは平和でした。

 

 

 

 

 

 

 


 

一般people様の「真・クラユア好きに15のお題」よりお題拝借。 

 

ゼロスとユアンは親子みたいな関係だといいですね〜 

2009年5月4日                                                                           

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