「あー、いい湯だった」
宿の部屋にある備え付けのバスルームからウキウキという感じでユアンが鼻歌交じりに出てきた。
「今日も長風呂だったな・・・」
クラトスは読んでいた本から視線をユアンに合わせて言葉を詰まらせ、ため息をついた。
ゆっくりと本をサイドテーブルに置きユアンに近づくとユアンの頭に乗っているだけのバスタオルを奪い取った。
「ちゃんと拭いてから出て来いといつも言っているだろう」
まったく、世話がかかる奴だとクラトスは口調は呆れ気味だがどことなく嬉しそうに口元を緩めバスタオルでユアンの長い髪を優しく拭き出した。
「んっ・・・くすぐったい」
頬を掠めるタオルにユアンはクスクスと擽ったそうに笑う。
「それに、パンツぐらい穿いて来い。」
そう、ユアンはタオルを頭に乗せただけの格好でお風呂場から出てきたのだった。
「どうせ脱がされるのだ、別にいらないだろ?」
ユアンの台詞に手を止めユアンの顔を見ると、タオルの間から見えるユアンはいつになく挑発的な瞳でクラトスを捕らえていた。
「・・・誘っているのか?」
髪を拭くクラトスの手を振り解きユアンはクラトスの首に自らの腕を絡ませた。
「あぁ、そのつもりだが?」
唇がくっつきそうなくらい近くで甘えた声で囁く。
「今日はやけに積極的だな」
「そう言う気分だ。イヤか?」
「いや、悪くないな」
そう言ってクラトスは誘われるように目の前の唇に喰らいついた。
たまにはネ?
2009年10月5日
甘いの目指して墜落。
はるとわ拝